滋賀県立大学環境科学部 環境生態学科 Department of Ecosystem Studies

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STAFF 教員

集水域物質循環研究室

  • 尾坂 兼一
  • 助教尾坂 兼一OSAKA, Ken’ichi

    専門分野

    森林水文学

    キーワード

    水質,同位体比,森林,集水域

    研究室

    B3棟(環境生態学科棟)205室

    研究業績

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最終学歴

京都大学大学院農学研究科地域環境科学専攻博士後期課程単位取得退学(2007年3月)

学位

博士(農学)(京都大学)

職歴

  • 農業環境技術研究所特別研究員(2007年4月~2009年3月)
  • 山梨大学国際流域環境研究センターGCOE研究員(2009年4月~2010年7月)
  • 滋賀県立大学環境科学部助教(2010年8月~)

所属学会

  • 日本水環境学会
  • 日本陸水学会
  • 水文・水資源学会
  • American Geophysical Union
  • 日本地球惑星科学連合

研究内容の
紹介

集水域物質循環研究室では森林生態系の栄養塩循環や,森林から河川を通じた下流域への栄養塩流出に関する研究を行っています。また,琵琶湖など湖沼への栄養塩の流入はアオコ発生や水質にも影響を与えると考えられており,琵琶湖内の栄養塩動態の研究も行っています。とくに,最近では様々な物質の「安定同位体比」を最新の分析技術で測定することにより,これまで測定が難しいと考えられてきた,現場環境での微生物反応の解析を進めています。

森林からの窒素流出機構の解明

世界的な化石燃料使用量の増加や,肥料生産量増加の結果,降雨水に含まれている窒素量が世界的に増加しています。これが森林に降り注ぐとどうなるでしょうか?森林の草本が栄養分として吸収してくれて森林から流出する窒素量は変わらないのか,あるいは,森林の草本が栄養分として吸収しきれずに森林から流出する窒素量が増加して下流域の富栄養化に影響するのか,これは森林によって違ったり,降ってくる窒素の量によっても違ってきたりすると考えられます。これらの関係を明らかにし,将来の森林からの窒素流出量を予測するために,私たちは森林の窒素循環プロセスや窒素流出機構について研究しています。

河川を通じた粒子状リンの生物利用性に関する研究

リンは琵琶湖の植物プランクトンの生産を規定しているもっとも重要な栄養塩です。このリンは森林や農地,市街地などから河川を通じて琵琶湖にもたらされますが,その大部分が降雨時などに流出する粒子態(水に溶けていない状態)のリンだということがこれまでの研究でわかっています。溶存態(水に溶けている状態)のリンが植物プランクトンに利用されることはわかっていますが,粒子状のリンがどの程度植物プランクトンに利用されているかはあまりよくわかっていません。そこで私たちの研究室では河川を通じて流出する粒子態リンの化学的組成を詳しく調べることで,粒子態リンの生物利用性を明らかにしようとしています。

琵琶湖深層部における脱窒量の評価

脱窒は水中の硝酸イオンが窒素ガスになって大気中に放出される微生物反応です。つまり琵琶湖水中の植物プランクトンの餌であり,アオコなどの発生の原因のひとつである窒素が,琵琶湖から自然に除去される反応です。この反応が琵琶湖の中でどの程度起こっているのか,まだ詳しいことはわかっていません。私たちの研究室では湖水や底泥中の様々な物質の窒素の安定同位体比や酸素の安定同位体比の測定を通じて,琵琶湖水中の脱窒について明らかにしてゆこうとしています。