研究内容の
紹介
循環大気化学研究室では,大気中に存在する物質がどこから発生し,環境中でどう変化し,どこへ辿りつくのかということを明らかにしようと研究に取り組んでいます。普段あまり意識されていませんが,大気中には「臭いのある物質」や「目に見えない小さな物質」,「国外から輸送されてきた物質」などが存在しています。それらの物質は“大気汚染”に関係しており,その形態は気体や液体,固体とさまざまです。また,大気中に放出された物質が影響を及ぼす範囲は,発生した地点周辺の地域的なものから地球規模の広域的なものまでと幅広く,大気だけでなく土壌や河川(湖・海)へと循環していきます。私たちと一緒に,大気中の物質の化学分析を通して物質の組成や流れを調べてみませんか?
住宅地の沿道における微小粒子状物質に関する研究
モノを燃やすことによって,さまざまな物質が大気中へと排出されます。生活の移動手段として欠かせない自動車からは,微小粒子状物質(PM2.5:粒径2.5 µm以下の粒子)が排出されています。沿道大気中の短期的な粒子の影響を把握するために,自動車から排出されたPM2.5の化学組成に関する調査を行っています。
琵琶湖周辺の風配図からみた汚染物質濃度の特徴
大気汚染物質は風による影響を強く受けます。そのため,地域の風配図や汚染物質濃度の傾向を把握することは発生地域を推定する上で重要です。滋賀県内の気温・湿度・風向・風速などの気象データを解析し,大気汚染物質(光化学オキシダント・窒素酸化物・微小粒子状物質など)の濃度の傾向から,測定地点に対してどの方角からの影響を受けて大気汚染物質濃度が増加しているのか解析します。
汚染物質の時空間分布に関する研究
大気中に存在する物質は,周辺環境に影響を及ぼす可能性があり,場合によっては大気~土壌~水辺といった環境場を循環します。大気・水・土壌試料中の汚染物質の化学分析を通して,物質の環境動態や発生源の解明に関する研究を行っています。